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更新日 2010-07-13 | 作成日 2007-10-07

月経異常について

正常な月経(生理)とは?

月経の周期は?
月経の開始から次の月経開始の前日までの期間の長さをいいます。正常な月経周期とはその期間が25日以上38日以内に入っていることをいいます。

月経の量は?
月経血の中にレバーのようなかたまり(凝血)がまじっているのは月経血量が多い(過多月経)サインの一つです。またちゃんとした食事をしているのに貧血といわれるのも月経血量が多いためであることがあります。逆に月経血の量が極端に少ないのを過少月経といいます。

月経の持続期間は?
正常な月経の持続期間は3日〜7日です。2日で終わってしまうとか、8日以上続くのは、問題なことがあります。

月経痛などの随伴症状は?
通常、月経中に腹痛や腰痛、頭痛、悪心などの症状は多少はありますが、日常生活に支障をきたさないのであれば正常です。一方これらの症状が強く、日常生活に支障が出たり治療を必要とする場合は月経困難症といいます。

月経の開始(初経(初潮))、終了(閉経)の年齢が正常である

月経の異常とは?

月経周期の異常

頻回に月経のような出血がある→頻発月経
月経が40日間隔と遅れがち→稀発月経
3ヵ月以上月経がない。→無月経

月経血量の異常

多すぎる月経(レバーの塊のような凝血が混じる)→過多月経貧血
極端に少ない月経血量→過少月経

月経の持続期間の異常

8日以上月経が続く→過長月経(本当の月経ではなく無排卵性出血のことが多い)

月経痛などの諸症状

月経前から月経期間中に腹痛、腰痛、悪心、嘔吐などがあり、生活に支障をきたす→月経困難症

初経(初潮)の時期、閉経の時期の異常

初経
早すぎる(9才以前)初経の始まり→早発思春期症
遅い初経(15才以降)→晩発思春期
18才になっても初経がこない→原発性無月経
閉経
30才代で閉経になってしまう→早発閉経(POF)
55才以降月経がある→晩発閉経

よくある月経の異常について

生理不順(月経不整)

毎月きちんと28日や30日型でくる必要はありません。例えば前月27日目にあり、その月にやや遅れ35日型になったというのは全く正常です。しかし、いつも40日~50日型、あるいは20日毎に月経があるのは問題です。

月経がたまにしかない。(稀発月経)

40~50日毎に月経がくるのを稀発月経といいます。このような状態の多くは月経が始まった日から、排卵するまで長い日数(例えば30日間)を要し、その14日後に次回の月経がくるタイプ(遅延排卵)が多いのです。つまり、排卵はあるものの、スムースに排卵がおこらないことが多いのです。あるいは月経と思っていた出血が実は排卵がない出血(無排卵性出血)ということもよくあります。

月経が遅れがち・排卵するのに長い日数がかかる例(遅延排卵)
きちんと排卵していない例(無排卵性出血)

つまり、生理不順(生理が遅れがち)の原因は排卵がスムーズにおこっていないことのサインです。

月経あるいは月経様の出血がしょっちゅうある(頻発月経)

このような場合も一見生理のような出血が、実は排卵がおこっていないための無排卵性出血のことが多いのです。出血(生理様出血)と出血の間が2週間位しかなく、かつ、出血期間が10日とか2週間と長くつづく場合はきちんと排卵がおこっていないと考えられます。

月経が90日以上こない(無月経)

90日以上月経がこない場合を無月経といいます。ですから、生理不順でも90日以上月経がない場合は単に生理不順ではなく、より要注意なタイプです。このような無月経の多くは排卵がおこらないでホルモンの機能が低下、あるいは殆ど停止していることが多いのです。しかも、この無月経の状態を長期間(7ヶ月以上)放置しておくとホルモンの失調がますます強くなり、がんこなホルモン異常(排卵障害)になります。ですから無月経の期間が3ヵ月以上続いたら受診しましょう。もちろん妊娠が考えられる場合も同じです。

不正出血(月経以外の出血が時々、あるいはよくある。)

ホルモン異常による出血

排卵していなかったり(無排卵性出血)、排卵するのに時間がかかってしまう(遅延排卵)場合など、排卵に異常があるとよくこのような出血がおこります。このような出血の特徴は出血が通常の月経より少なかったり、逆に多量の出血がぐずぐずと長い日数(10日以上)続くことが多いのです。これを機能性子宮出血といいます。このような場合は、ホルモン剤で出血を速やかに止め、排卵を再開させるという根本的な治療が必要です。

子宮や腟に出血の原因がある例

子宮にポリープ、子宮筋腫、あるいは炎症(クラミジア)時に子宮癌などがあるとしばしば不正出血の原因となることがあります。これを器質性出血とよびます。このような出血はきちんとある月経以外に不正出血がよくあります。止血には出血の原因となっている疾患をきちんと治療する必要があります。

以上のように不正出血は上記2つの原因がありますが、これらの出血がそのどちらか、あるいは治療した方がよいかなどは、実際診察してみなければわかりません。逆に診察すればおおむねすぐ診断がつき、また治療も困難ではありません。ですから月経以外の不正出血を繰り返す時はおっくうがらずに気軽に受診することをおすすめします。

月経痛(生理痛)が強い

月経痛(生理痛)が強く、日常生活に支障をきたす場合を月経困難症といいます。腹痛が強いため鎮痛剤が必要であるとか、仕事ができないような場合は月経困難症といってよいでしょう。

よくある月経困難症の症状

腹痛、腰痛、悪心(気持ちがわるくなる)、嘔吐、いわゆる貧血(血液がうすくなっているわけではないがフラフラする。)頭痛、頭重、食欲不振などがよくある症状です。
生理痛(月経困難症)には2種類ある

ホルモンのいたずらによる生理痛(機能性月経困難症)

ず第1の生理痛ですが、機能性月経困難症とよばれているものです。これは毎月きちんと排卵すると卵巣から2種の女性ホルモン(卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン))が分泌されます。特に黄体ホルモンは子宮内膜という子宮の内側にあり、妊娠しないと剥がれて月経として出血してくる膜に作用し月経痛の原因になります。具体的には子宮内膜の内にプロスタグランディン(Pg)という局所ホルモンを増加させます。このPgが子宮を収縮させて腹痛や腰痛、悪心の原因となるわけです。

子宮内膜症や子宮筋腫などの異常による生理痛(器質性月経困難症)

最近、子宮筋腫は比較的若い人にもみられます。また子宮内膜症は年々増加傾向にあり、20代の前半からよくある病気です。このような病気は月経困難症の原因となります。これを器質的月経困難症といいます。
生理痛がどちらによるものなのかは簡単に診断することができます。

生理痛はがまんしても意味がない!!

よく生理痛に鎮痛剤を服用すると、くせになるとかきかなくなるとかいわれますが、そのようなことは全くありません。生理痛はがまんしても御本人がつらいだけで全く意味がありませんし、痛みを軽くするよう治療しても何の問題もありません。ですから生理痛などで無意味ながまんをしないで、痛みから開放されて快適に過ごしましょう。歯が痛むときじっとがまんしますか?生理痛も同じです。

生理痛(月経困難症)の治療

生理痛を治療するにはまず、その生理痛の原因が先に述べた、ホルモンのいたずらによる機能性月経困難症であるのか、あるいは子宮内膜症や子宮筋腫など子宮や卵巣に異常があるものかを判断します。その上で機能性月経困難症と診断されれば実際の治療法には次のような方法があります。

生活上の工夫

月経の前は骨盤の血流の流れがうっ滯します。これを改善するために適度な運動は有効です。月経の始まる1週間くらい前からジョギング、ウオーキング、スイミングあるいはエアロビクスやもっと簡単な全身の屈伸運動などでも効果があります。

痛み止め(鎮痛剤)の服用

市販のいわゆる鎮痛剤でももちろんかまいません。鎮痛剤を選ぶには痛みの原因となるプロスタグランディンをブロックできる薬(プロスタグランディン合成阻止剤)がより効果的です。当クリニックでは主にボルタレンという薬を処方します。また痛みがかなり強く、早く痛みをとりたいときはボルタレンの坐薬がとても速効性があります。このような鎮痛剤には服用するコツがあります。このコツは早めに服用することです。もうがまんできない程の痛みがきてから服用するより、早めに、あるいは痛みが始まる前に服用してもよい位です。

ピル

機能性月経困難症(特に子宮や卵巣に子宮筋腫や内膜症などがない、通常の生理痛)の原因は、排卵した後、卵巣から分泌される黄体ホルモン(プロゲステロン)のいたずらであることは既に述べた通りです。ですから逆にこの原因となる黄体ホルモンの分泌を抑えてあげれば生理痛は予防できるはずです。つまり、排卵を一時的にストップしてあげればよいわけです。それにはピルがとても簡単で効果的でしかも安全な方法です。ピルは現在では排卵をストップすることから避妊薬として有名ですが、本来はこのような治療薬として開発されたものです。

ピルで生理痛はどの位軽くなる?

今まで鎮痛剤を服用しなければ過ごせなかった人もほとんどの人が鎮痛剤が必要なくなります。生理中は就寝しなければいけなかった人も、仕事も日常生活も楽に過ごせるようになる方が大部分です。
ピルには他にどんな効果が?
ピルを服用している間は排卵をストップしますので、ほぼ100%の避妊効果があります。また、排卵を抑えますので月経の量もぐっと少なくなります。ですから月経痛と過多月経がある人にピルは最も適しています。また後で述べますが、月経前症候群にも有効です。これは月経の1~2週間前から頭痛、乳房痛、むくみ、悪心、嘔吐などいろいろな身体症状があり、また月経の開始とともにこれらの諸症状が軽くなる病気です。ピルは月経痛だけでなく月経前症候群も軽くすることができます。

その他の薬物療法

漢方剤
昔から女性向けの漢方剤が有効であることが知られています。特に当帰芍薬散や桂皮茯苓丸、加味しょう遥散などが有名です。漢方剤は通常1日3回服用します。
ピル以外のホルモン剤
子宮内膜症による生理痛はピルでかなり痛みが軽くなります。しかし内膜症が進行している人ではピルだけでは痛みが充分コントロールできません。このような人には内膜症そのものを縮小させるGnRHアナログ剤(スプレキュアー、リュープリン、ブセレキュアー)などが必要なことがあります。
生理痛が強い人へのアドバイス

生理痛はがまんしても何の意味もない!!
(歯が痛いときがまんするだけですか?)
単なる生理痛と自分で決めつけない!!
(生理痛には子宮内膜症などの病気が背景にあることが少なくない)
積極的に治療して快適な生活をしましょう。!!

治療は極く簡単です。どうかおっくうがらずに気軽に当クリニックに御相談下さい。次の月から快適な心安らかな日常生活をとりもどせることをお約束します。